【3分で簡単に分かる!】麻薬王パブロ・エスコバール
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南米コロンビアといえば麻薬、そんなイメージを今でも持っている人は、残念ながら多いはず。
それはなぜか?
Netfilxドラマ、「ナルコス」を観ている方ならご存知のはず。麻薬王パブロ・エスコバルの存在です。
一国のイメージまでもを変えてしまった、エスコバルがどんな人物か、簡単にまとめましたので、早速見ていきましょう。
パブロ・エスコバルは、1949年12月1日、学校の教師である母と農家の父の間の貧しい家庭に産まれます。
10代になると、タバコの密輸、偽造宝くじの販売、車の窃盗と様々な犯罪に手を染め始めます。
22歳までには億万長者になるという野望があることを常々友人に話していたとか。
そんな夢を叶えるべく、80年代初期、マリファナとコカインの製造に着手します。そして遂には、カリブ海の密輸ルートを握っていたガチャや、メデジンのマフィアであるオチョアと手を組み、メデジンカルテル(麻薬の製造・販売を行う組織)を作り上げてしまいます。
「金か銃弾か(money or bullets)」
エスコバルは、アメリカへの薬物密売を行う際、このせりふを吐いて、政治家や役人、裁判官などの権力者にお金を受け取らせ、密売に目をつぶらせていたようです。どの道、これらの権力者は後々殺されていたようですが...
そして、なんと!1982年、コロンビアの国会議員にまでなってしまいます。しかし1983年、薬物密売のため議会を追放されてしまいます。当然ですよっ!
当時、世界の80%のコカインとアメリカの違法薬物の75%がメデジンカルテルのコントロール下だったと言われています。
そんなメデジンカルテルのお陰で、彼の資産は、フォーブス(雑誌)の世界長者番付で7年連続のランクイン。コカインで得た収入は300億ドルにも及んでいたそうです。
80年代半ばには、アメリカに1日15トンづつ飛行機で密輸するようになり、この密輸により50万ドル毎日稼いでいたというのだからスゴイ。
コラム
倉庫に入れてた、溢れんばかりのエスコバルのお金の内、10%はねずみに食べられてしまったとか。ちなみに札束を止めるために使っていた輪ゴム代が、毎月2,500ドルほどかかっていたそうですよ。異常です...
お金持ちは別荘を持つのが当たり前。けれども、麻薬法の別荘はやはり一味違う!
エスコバルは、メデジン市の郊外に広大な別荘を持ち、敷地内になんとカバやキリン、象、シマウマ、ダチョウなどの、当時では珍しかった世界中の動物を飼ったり、モトクロスバイクのサーキットなどを設けていました。
ちなみに、この別荘は現在、アシエンダ・ナポレス公園(Hacienda Nápoles)と呼ばれ、サファリパーク、博物館、プールなどのある複合施設として、多くの観光客を集めています。
エスコバルはイメージ戦略の一環で、教会や病院でのチャリティーイベント(慈善事業)を行ったり、公園やサッカースタジアムなどの公共事業を手がけるなど、社会貢献もしています。そのため、貧困層からの支持は絶大なものでした。今でも彼を英雄扱いしている人は多くいます。
しかし、慈善活動をしながらも、エスコバールは、「ドン・パブロ(Don Pablo)」または「エル・パトロン(El Patrón、ボス)」と呼ばれ、4,000人以上の殺人に関わったとされています。ちなみに、ドン・パブロに殺された人の内訳は、200人の裁判官、1,000人の警察官、残りは新聞記者や政府関係者です。
そんな麻薬王エスコバルにとっての最大の恐怖は、アメリカに身柄を引き渡されること。
アメリカに捕まるくらいなら、コロンビアで死んだ方がマシだと常々言っていたそうです。そのため、コロンビアの財政赤字を返済し、コロンビアの犯罪人引渡しにおける法律を変えさせたほど。
アメリカさえ避けられれば、国内で捕まっても、パブロにとっては何でもありません。
1991年に逮捕された際には、彼自身が以前に作った高級刑務所「La Catedral」に入所。しかし、彼の逮捕後も、犯罪が減らなかったため、政府はセキュリティーの厳しい刑務所に彼を移送することを決断しますが、搬送前にエスコバルは脱走します。
コラム
警察からの逃亡中、山中で娘が低体温にならないようにと、2百万ドルを燃やして焚き火したとか
脱走してすぐ、コロンビア政府はパブロ・エスコバルを捕らえるための専属ユニット「Bloque de Búsqueda」を組みます。
結果、17ヶ月もの捜索の後の1993年12月2日、エスコバルはメデジンにて、専属ユニットにより銃殺されました。この時、44歳。世界最重要指名手配犯は、このようにして人生の幕を閉じるのです。
残念ながら、薬物とパブロ・エスコバルは、コロンビアの歴史を語る上では外せないもので、彼の影響で、コロンビアの「危険な国」のイメージが作り上げられたといっても過言ではありません。
しかし、これらのことは、もはや過去の話!近年のコロンビアは急成長を遂げています。
安全面もどんどん改善され、今では世界各国からの多くの観光客が訪れるようになりました。そんな黒歴史を持つコロンビアに、是非一度行ってみて下さい。
これからのコロンビアの更なる繁栄を祈って!
¡Viva Colombia!(ビバコロンビア!)
少しでもみなさんにコロンビアの魅力が伝わりますように
Oriana van Beem